翠玉のメロディ

万物流転

あと一時間後に小学校の同窓会が始まるのだが、出席すると連絡したものの、正直行こうか行くまいか迷った。当時の児童だけでやるならともかく、先生が2,3人来るとあらば、是非とも今の姿を見せておきたいというものである。と、いってもあんまり代わり映えしていないが。変わったところといえば、眼鏡をかけたのと白髪が目立つようになってきたことくらいだ。

ではなぜ逡巡したかというと、やはり皆は当時の僕のキャラクタイメージをそのまま持っているわけであって、今とのギャップを見せたくない、というのが理由だ。あの頃の僕は体が大きかったこともあり、気は優しくて力持ち、のドカベン的存在であった。おしゃべりも得意でよく皆を笑わせていたし、女子ともなんの抵抗もなく話していた(今じゃとても考えられない!)。

それが今はどうだろう。自分に自信がなく、ろくに人と目を合わせて話すこともできない、暗くて卑屈で眼鏡でデブで酔いどれなモーヲタである。こんなマイナス方向に変化した同窓生が他にいようか。

いや待てよ、と思う。それがなんだというのか。それを気にして同窓会に出席せず、何が得られるというのか。僕が変わったなら、彼らも変わったはずだ。変わらない人間なんていない。プラス方向にしろマイナス方向にしろ、彼らの変化を楽しみに出かけようではないか。

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